「LPガス(LPG)」とは、液体(えきたい)にした「プロパン」や「ブタン」のことで、日本語では「液化(えきか)石油ガス」といいます。
「プロパン」や「ブタン」は、通常(つうじょう)、気体ですが、高い圧力(あつりょく)をかけると、簡単(かんたん)に液体(えきたい)になります。液体(えきたい)にすると、体積が気体のときの約250分の1になり、家庭に届(とど)けたりするのにとても便利なので、プロパンやブタンをLPガス(液化(えきか)石油ガス)にしています。
LPガスは、家庭のコンロやおふろの燃料(ねんりょう)、ライターなどに利用されています。
本来、LPガスには「におい」がありませんが、ガス漏れなどをした場合にすぐに気がつくように、家庭に届(とど)けるLPガスには「におい」をつけています。この「におい」は、LPガスが燃えるときになくなってしまいますので、LPガスを正しく使っていれば、におうことはありません。
石油精製(せいせい)工場の各機器の操作(そうさ)は、主に制御(せいぎょ)室で行われています。
それでは、どのように石油が製品(せいひん)になるのかを見てみましょう。
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原油はタンカーに入れられて、
外国から運ばれてきます。
太陽石油では、主にサウジアラビアやマレーシアから原油を輸入(ゆにゅう)しています。
原油を積んだタンカーは重く、船が20mほど沈(しず)んでいるため、水深が浅い海岸には近づくことができません。
そこで、海岸から離(はな)れた場所からパイプラインで陸上のタンクへと原油を送ります。
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タンカーから送られて来た原油は、いったんタンクに入れられます。
タンクのフタは、原油の量によって上下し、
できるだけ石油が空気にふれないように
なっています。
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いったんタンクに貯(た)められた原油は、原油をさまざまな石油製品(せいひん)に分ける、常圧蒸留装置(じょうあつじょうりゅうそうち)へと運ばれていきます。
- LPガス
- プロピレン
- ガソリン
- ベンゼン
- キシレン
- 灯油・ジェット燃料
- 軽油
- 硫黄
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LPガス
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プロピレン
「プロピレン」は、無色で燃(も)えやすい気体です。
プラスチックの中でもとくに安価(あんか)で、一番軽い「ポリプロピレン」という素材(そざい)の原料になります。
「ポリプロピレン」は、食品用のラップフィルムや、ポリバケツなどの日用雑貨(ざっか)、おもちゃなど、さまざまな製品(せいひん)に利用されています。リサイクルしやすく、燃(も)やしても有毒ガスが出ない、環境(かんきょう)にやさしい素材(そざい)です。この製品の作り方を見る
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ガソリン
「ガソリン」とは、自動車用の燃料(ねんりょう)のことです。「オクタン価」(自然に発火しやすい度合い)の違(ちが)いによってわけられる、「プレミアムガソリン」と「レギュラーガソリン」の2種類があります。室温では気体になりやすいので、「揮発油(きはつゆ)」(室温で気体になる油)ともいわれています。
燃えやすく、まちがえて火を近づけると爆発(ばくはつ)するような成分で、とても危険(きけん)なため、色をオレンジにしてほかの成分と見分けがつくようにしています。この製品の作り方を見る
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ベンゼン
「ベンゼン」は、無色で、あまい香(かお)りのする液体(えきたい)です。
昔は、ペンキはがしやシミぬきなどに利用されていましたが、人間の体によくない性質(せいしつ)がわかり、いまはそのような使い方はしていません。
現在は、家電、発泡(はっぽう)スチロール、洗剤(せんざい)や、タイヤのゴム製品(せいひん)など、人間の体に害を与(あた)えない使い方をされています。この製品の作り方を見る
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キシレン
「キシレン」は、無色で、独特(どくとく)なにおいのする液体(えきたい)です。
昔は、医学や生物学で、標本の作製(さくせい)のときに利用していましたが、人間の体によくない性質(せいしつ)がわかり、毒性(どくせい)のない代わりの製品(せいひん)を利用するようになりました。
いまは、ペットボトル、化学繊維(かがくせんい)、塗料(とりょう)などの原料や、接着剤(せっちゃくざい)などに利用されています。この製品の作り方を見る
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灯油・ジェット燃料
「灯油」は、石油ストーブや石油ファンヒーター用に使用される、無色透明(むしょくとうめい)の液体(えきたい)です。 とくに、日本で販売(はんばい)されている灯油は、「燃(も)やしたときのにおいが少ない」こと、「すすが出にくいこと」から、世界的にも最高クラスの品質(ひんしつ)です。
「ジェット燃料(ねんりょう)」は航空機のジェットエンジンに使用される燃料(ねんりょう)で、一般的に、2種類あります。 太陽石油で生産しているのは、灯油の成分から水分を完全に取(と)り除(のぞ)き、燃料(ねんりょう)の性能(せいのう)などを向上させた、ジェットエンジンのための特別な燃料(ねんりょう)です。 ジェット機が飛ぶ、上空1万メートル以上では、気温がマイナス50℃にもなります。このような気温の中でも凍(こお)らないように、水分を完全に除去(じょきょ)する必要があるからです。この製品の作り方を見る
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軽油
「軽油」は、ディーゼルエンジンの燃料(ねんりょう)として使われます。
ディーゼルエンジンは、少しの軽油で大きな力を出すことができるため、大きな力が必要な、トラックやバス、船、などに利用されています。
平成19年、「軽油」として認(みと)められるための基準(きじゅん)が新しくなり、軽油に含(ふく)まれる硫黄分(いおうぶん)がずっと少なくなりました。これにより、軽油を燃(も)やしたときに出る大気汚染物質(たいきおせんぶっしつ)がそれまでより少なくなりました。この製品の作り方を見る
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硫黄
「硫黄(いおう)」は、室温では黄色い固体で、プラスチックのようなつやがあります。においはありません。
火をつけると、青い炎(ほのお)を出して燃(も)え、独特(どくとく)の悪臭(あくしゅう)を出します。
肥料(ひりょう)や、マッチ、火薬、薬の原料などに利用されています。
なお、太陽石油では、固体の硫黄(いおう)ではなく、140~160度に加熱して液状(えきじょう)にした硫黄(いおう)(「溶解硫黄(ようかいいおう)」といいます)を取(と)り扱(あつか)っています。この製品の作り方を見る