国内初の森林資源を活用したグリーンリファイナリー事業の共同検討を開始

2021.12.01

~原料調達から消費までのCO2排出量削減を実現~

 太陽石油株式会社(代表取締役社長 岡 豊)は、このたび日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO 佐藤 雅之)と共同で、国内初の森林資源を有効活用したグリーンリファイナリー事業の共同検討に関する基本合意書を11月30日付で締結しましたので、お知らせします。

背景

 日本は、国土面積の67%を森林が占める世界有数の森林大国でありながら、過去数十年に亘る国産木材の価格低迷などを背景に、収穫期を迎えながらも手入れがされない森林が増加しています。このような地域の未利用森林資源を活用することにより、森林の再生や災害リスクの低減、海外の資源に頼らない地産地消型経済の確立など、循環型社会の構築に向けた貢献が期待されています。

 また、各業界でCO2排出量削減に向けた具体的な取り組みが求められる中、化石燃料の代替原料として、バイオマス由来の燃料やケミカルなどを製造するグリーンリファイナリーに対するニーズが高まっています。

共同検討の概要

 本共同検討では、主に四国内の未利用森林資源の収集から、木質バイオマスの分解油化によるバイオ原油の製造、バイオ原油を原料としたバイオマスプラスチック原料やバイオ燃料などバイオ製品の製造に至るまでの一連のサプライチェーンの構築に向けた検討を行います。

 森林資源の収集においては、最新のICT技術による森林資源量の把握、高性能林業機械や一貫作業システムの導入による効率的な木材収集、計画的な森林施業やモニタリングによる災害リスクの低減等を実現する様々な検討を行い、経済的かつ安定的に森林資源を収集する仕組みを構築していく予定です。

 なお、国内で初めての試みとなる国産木質バイオマスの分解油化によるバイオ製品の製造は、化石燃料と比較して原料調達から消費までのCO2排出量を削減することが可能となるだけでなく、森林の再生や海外資源に頼らない地産地消型経済の確立への寄与も期待されます。

 今後、日揮ホールディングスが有するエンジニアリング技術およびプロジェクト管理能力と、当社が有する製油所の運転技術やノウハウを活用し、地域事業者や自治体、大学などとの連携を通じて、2022年から分解油化プロセスの選定を含めた実現可能性調査を実施し、将来的な商業化を目指します。

今後の方針

 当社は、2050年のカーボンニュートラル社会の実現に貢献すべく、バイオマス原料を活用したサスティナブルなエネルギー・化学品原料の供給に向けた検討を推進していきます。今後も、地球環境と調和した有望な事業領域の拡大に積極的に取り組んで参ります。