愛媛大学寄附講座における昆虫の飼料利用に関する実証試験の開始について

2022.08.10

当社(代表取締役社長 岡豊)は、本年6月1日に国立大学法人愛媛大学大学院農学研究科に寄附講座「昆虫の飼料利用学」を設置いたしました。この度、当寄附講座の活動の一環として、愛媛県宇和島市の養殖漁場において、昆虫を原料とする養殖飼料を用いた養殖実証試験を開始しましたのでお知らせいたします。

この取り組みは、昆虫飼料の本格的な利用の第一歩であり、愛媛県、さらには日本の水産養殖の持続化に貢献できるものと期待しています。本実証試験に関して、去る8月8日に、愛媛大学において記者会見が執り行われましたので、併せてお知らせいたします。

実証実験の概要

愛媛県宇和島市に本社を置く秀長水産株式会社のご協力のもと、同市内の養殖場において、8,000尾のマダイを用い、
2022年7月から2023年3月までの約8ヶ月間に亘り、本格的な養殖実証試験を行います。

昆虫は、環境にやさしい新しいタンパク源として世界的に注目されており、他のタンパク源には認められないユニークな機能を有していることが愛媛大学の研究で明らかとなっています。同大学のこれまでの研究によると、昆虫には、動物に対する機能性の分子が含まれていることが示されており、今回の実証試験では、この分子が養殖魚の生理機能に作用し、耐病性の向上や、肉質の改善に効果を示すことが期待されています。

実証試験で生産されたマダイは来年3月に出荷を予定しています。出荷が行われる3月までの期間、試験魚の成長を追跡し、生理状態および肉質への影響を詳細に解析するとともに、出荷時には試食会を開催し、昆虫が養殖飼料として有効であるか否かを明らかにする予定です。このような本格的な実証試験は、世界で初めてのものです。

愛媛大学での記者会見の様子①
(左から中原担当グループ長、山川執行役員)

愛媛大学での記者会見の様子②
(左から愛媛大学仁科学長、三浦教授)

試験用飼料を給餌しているイカダ

イカダの中のマダイ